くりたのブログ

鯛の鯛。

夕方にドカンと降った雨で、空気が少し入れ替わって、
少しだけ涼しい夜を迎えている、京都です。
昼間はまだ、汗をかきかき仕事する!という場面も多々ありながら、
それでも少しずつ、季節が動いていること、感じます。
そこかしこに、秋の気配。
こうなると、途端に香ばしく焼いたものや、
ちょっと汁気があるものを、身体が自然と欲するようになるから不思議です。
ひんやりしたもの、あっさりしたものばかり摂っていたの、
ついこの間のことなのに。
もう完全に秋スイッチ、入ってますー!



さて、今日のお写真。
今の時期、真鯛(マダイ)を香ばしく焼いたものを御飯と一緒に炊いた、
「鯛の炊き込み御飯」をお出しすることがあるのですが、
鯛の焼き身をほぐしているとき、大将が、
「上手に取れたでえ!」
と満面の笑みで見せてくれたのが、この
「鯛の鯛」(タイのタイ)!です。
胸びれの付け根の部分の骨(肩甲骨と烏口骨と言うんやそうです)のことなのですが、
形がまるで鯛!のようであるところから、このように呼ばれます。

実は鯛のみならず、

硬骨魚類に分類される、他の多くの魚にもある骨なので、
「鱸の鱸」(スズキのスズキ)、「鰆の鰆」(サワラのサワラ)など、
そのお魚の名前を重ねて呼んだりもするのですが、
魚によって、形が微妙に異なります。
でもその中でも、やっぱり鯛のものが一番形が美しい!
鯛の鯛が格別であることは昔から言われていたらしく、
特に珍重されたがゆえに、他の魚の骨であっても、
あえて「鯛の鯛」と呼んだりもされるようです。
財布の中に入れておくと福を呼ぶ、という話もあって、
お客様の中には、コレクションされている方もおられるんですよ!

面白いですよね、「鯛の鯛」。

魚の下ろし方によっては切れてしまう場合も多いので、
料理屋で「鯛の鯛」に当たること、案外少ないかもしれませんね。
また、たとえ出てきたとしても、
頂く時に身をはずす過程ですぐに折れたりしてしまうので、
上手に取るのは少々難しかったりもします。
ちょっとしたコツがいるのですが、
上手に取れた時の達成感といったら!

皆様も料理屋で煮魚、焼魚に胸びれがついて出てきたときには、
是非ぜひ、「鯛の鯛」に注目してみて下さい!

もし、「鯛の鯛」にご興味のある方おられましたら、
御予約の際にリクエストしてみて下さいね(笑)









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