くりたのブログ

あおによし。

先日のことになりますが、
今年も秋の奈良へ!足を延ばしてまいりました。
向かったのはもちろん、秋恒例の「正倉院展」
第77回の開催となる今年は、67点の宝物が出陳され、
しかも、「これ教科書とかで見たことある気がするーー!」というような、
有名どころ、人気の宝物が盛り沢山!
今年、奈良国立博物館は130周年を迎えられたということなので、
きっと、常よりもラインナップが豪華だったのかもしれません。

今回も、聖武天皇ゆかりの品をはじめ、天平の息吹を感じられる調度品、染織品、遊戯具、
その時代に実際に儀式で使われていた仏具類、等々、
奈良時代から1300年の年月を経て今に伝えられるもの、ずらりと陳列されておりました。

中でも印象深かったものを挙げてみると———、、

実際に聖武天皇の身近に置かれていたであろうとされる、スゴロクの盤、「木画紫檀双六局」。
盤の側面は寄木細工のような「木画」で装飾され、それがまた精緻で見事
象牙で出来たサイコロも展示されていたのですが、今と変わらない形状であることにびっくり!
そして、サイコロの駒は、水晶や琥珀製で、
気楽には使えなさそうな感じのする豪華さ
この盤を囲んで、当時の貴族の人々もゲームに興じてはったんですよねー。
思わず親近感が湧いてしまいます。

蘭奢待の名で知られる、天下の名香黄熟香。
織田信長や、足利義政、そして、
明治天皇が、その一部を切り取った跡が残されていて、
その部分に名前の付箋が貼り付けられています。
時の権力者らがなんとしても手に入れたい、と思うほどの香り。
説明によると、とても甘い香りがする、とのことでした。
(この香りを実際に体験できる展覧会も催されているようですね!)

そして、今回の目玉!ともいえるガラス製のコップ、瑠璃坏(るりのつき)
深いコバルトブルーが、あまりにも澄んでいて、目が吸い寄せられるようでした。
上のガラス部分は西アジア製で、下の銀の台座は東アジアで作られたもの、
それらが組み合わさって、シルクロードを通じて日本に伝わっているとのこと、なんですねー。

、、、と、かなり充実の内容だった、今回の正倉院展。
宝物の美しさ、技術力の高さ、はもちろん、
はるか天平の昔から、現代に至るまでこれらの宝物がずっと守り続けてこられてきた、ということに、
本当に感服の思いがいたします。
  

今回も、例年通り日時指定予約券での観覧だったのですが、
館内、いつもよりも混み合っていたような印象もありました。
(枠内の申込人数を増やしてチケットを販売されていたのかもしれませんね)
会期はなんと明日10日までなんですが、すでに完売となっている様子です。
ますます人気が上がっていること、感じます。

さてさて、
博物館への道すがらの、奈良公園の鹿さんたち。
SNSでちらほら話題にもなっているので、現状はどんな雰囲気なのかな?と
観察しながら歩いてたんですが、
公園内、確かにインバウンドの方々でごった返してはいましたが、
皆さん楽しげに煎餅をあげて、鹿との交流を楽しまれてました。
で、恐らく、今かなり潤沢に煎餅が供給されているからか、
鹿さんたちも、いつもよりゆったりと優雅な感じに見受けられ(→たまたまかもしれませんが)ました。
いつもだったら、煎餅を目掛けて追っかけられている方の悲鳴がどこからか聞こえてくる、
なんてことはあるあるなんですが、それもなく。
極めて平和で長閑な、公園内の午後でした。



渋い!



これも渋い!


「発情期だとこんなことするかもしれんから気をつけてねー」
という看板の前でのこのお澄まし顔!
可愛いけど油断はできない!

ところでこのブログ、実はスタートから15年の時が経っておりまして、
最初の年から正倉院展のお話も書いたりし、その折にさりげなく触れているのですが、
実は私、小さい頃のトラウマを引きずっているためか、鹿がかなり苦手!だったのです。
でも、秋に来る毎に写真にその姿を収めるうち、少ぉーしは抵抗感がなくなってきたんですよねー。


こんなに近づけるようになったんですよねー。
以前の私なら考えられませんが、これも成長だなー、としみじみ。

かつて、幼稚園児だった私のお弁当をかっさらっていったことは、
そろそろ許すことにしようと思う、今日この頃です。
(→でももう絶対に追っかけんのはやめてな。あかんで。)

公園内の木々も、少しずつ色づき始めていました。
紅葉も、もうすぐですね。

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