くりたのブログ
鯖。
お写真、「鯖」です!
ぷりっぷりしていて、見事な紡錘形、ころんと丸くって、
どうだ!!!と言わんばかりの、
見るからに、脂がのっている、というこの感じ。
秋鯖、まさに今からが旬。
背の青いお魚に共通して言えることかもしれませんが、
魚体に、非常に存在感があります。
新鮮ゆえ、身がきらきらと光って、ハリ、弾力があって、
そのあまりの存在感に、思わず、
おおっっ!と、声を上げてしまう程、です!
写真のものは、福井県の小浜で揚がった、マサバ。
鮮度が非常に落ち易い魚なので、
昔は若狭湾などで取ったものを浜で塩でしめて、
丸一日かけて京都まで徒歩で運んだ、と言われていて、
その際使われたルートは、
「鯖街道」などと呼ばれています。
歩いて運ばれている間に塩が上手い具合にまわって、
京都に到着する頃には丁度良い味加減になっていたんだそうです。
海に面さない洛中の人々にとって、
美味しい魚を食するための、大切なルートだったんですよね。
ちなみに、この鯖街道を通って、
鯖以外の魚も京都へ運ばれていて、
ぐじ(=いわゆる甘鯛、若狭グジ)もその一つ、なんです。
今でこそ、そのルートでぐじが入荷することはあんまりないのですが、
京都の人々が「ぐじ好き」なのは、そんな理由があってのこと、なのです。
(ちなみに年明けより、通販サイトにてそんなぐじのお鍋セット、
くりた恒例の、「ぐじしゃぶ」の販売をさせて頂きますー。)
で、話は戻って、このぷりっぷりの鯖、
店では、なんとお汁仕立てにして、お出ししています。
そのお汁の名は、「船場汁」。
一般的には大阪の船場の商人の間で生まれたすまし汁、
であるとされていますが、
発祥には諸説ある様子。
(実は大将が強く押す「大将説」もあるので、御来店のお客様、
もし宜しければ、お尋ねになって下さいませ(笑))
鯖のアラからお出汁をとってベースにし、
具材は少しの鯖の切り身、大根、しょうがなどを
合わせたシンプルなお汁、で、
最大限に旨味が出た鯖の風味と、大根
そしてアクセントのショウガの加減がとことんあって、
非常に美味!なお汁物なのです。
すうっと、身体中に旨味、温かみがしみいって、
喉を通った後思わず、ふうっっ、美味しい!と、
ため息がもれるような、
そんなお味の、汁物、です。
これからまだしばらく、お献立に登場予定です。
皆様、是非に!