くりたのブログ

焦げ感、秋感。


今日は、旬の食材、というわけでも無いんだけれど、
こんな秋味!もありますよ、というお話。
上写真、鶏の手羽先を焼いているところ。

くの字の先っちょは出刃で切り離して、
元の部分を、じっくりと焼いております。
もちろんこれは下拵え、の段階ですが、
出来上がる予定のお料理、

この段階でしっかりと焼くのが、ポイント。
ちょっと焼きすぎたかな?位で、ちょうど良い、んです。

その加減は、こんな位!
普通の「鶏のソテー」だったならば、
裏返すのがちと遅かったか!と、なってしまうところかもしれませんが、
これから仕込むお料理には、この焦げ感が、ベスト。
この後、
さっと湯通しして余分な油を取って、
その後、中の骨を一本ずつ手で抜いて、
そこにとある別食材を差し込んで、
(料理用語では、「射込む」と言います!)
それからさらに、味をつけながら炊いて、
その後、その炊き汁と一緒に冷やし固めて、、、、と、
そこからも何工程かを経て、
やっと、一品として完成をみます。
そうして出来上がったものは、

八寸の中のおひとしな、として、現在皆様にお召し上がり頂いております。
どんなお料理なのか?ということは、
御来店後のお楽しみ!にさせて頂くとして、
お召し上がりの皆様、

「お手間入り、ですねーーーーー!これ、美味しいっ!」

と、感想をお寄せ下さいます。
確かに手数としては少なくはないのですが、
この焦げ感、そして鶏の旨味が、実に今の季節感にぴったりきていて、
非常に、心地が良いのです。
皆様の「美味しい」を聞くたびに、
しばらくは選抜メンバーから外せへんな!と、
せっせと仕込み作業に勤しむことになります。
心地良く感じる一番の所以は、

やはりこの、焦げ感と旨味の絶妙なバランス、なんでしょうね。
ちょっと香ばしいものが、とことんしっくりくるのは、
これ、秋、ならでは。
もちろん、春にも夏にも冬にも、焼いたものは登場するのですけれど、
香ばしい焦げ目、なんてことが、
味、イメージ、空気感、総合的に一番しっくりくるのは、
なんでか、秋のような気がしてしまう、んですよね。
(そんなことないですか?)

ともあれ、この香ばしい秋味のお料理、

あとしばらくは登場予定です。
皆様、是非に!
出来上がりの様子をほんの少しだけ御紹介。
周りは鶏の煮こごりで固められています。
旨いんだな、これが。
あれだけ焼いても、
一旦湯通ししたりするので、
苦みなんかは取り除かれ、程よい香ばしさが残るんです。
この焦げ感、非常によいバランス、なんですよね。
このくらいのパンチが、
今の気候、季節感、体の感じ方には、
しっくりくるような気がしています。

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